2024年10月10日

MOONDROP DISCDREAM 2 ULTRA #2

みなさんこんにちは。
スタフ屋の右京崇です。

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さて、表題の機種でいろいろなCDを日々聴きこむ今日この頃ですが。

やはりファーストインプレッションというのはどんなものでも比較的確からしい要素となるわけですが、ことオーディオに関しては大方裏切ることはないと思っています。

確かに慣れであったり相性、さらにはエージングであるとかそういったことも多い為あまりに早合点してしまうのもよくはないのですが、一聴して良いものは大体いいですし悪いものは大体悪いままであることが多いです。良いものは良いところを探すよりもむしろあら捜しをするような場合もあり、悪いものであればいいところ探しをする、ともすれば当初の評価が逆転する場合(特に対人関係などは)もあるため第一印象が良すぎるのも考え物ではあるのですが・・・

昨年のSHANLING EC Miniを例にとりますけど、当初は各種メディアはもちろんユーザーからも数多の反響や好評を博していたようですが、(酷評していたのは僕くらいですか?逆張りなどと思われていたかもしれません。)いまも話題に上がりますか?
そういうことです。
当初はその鮮烈なデビューやハードウェアの作り込みなどキャッチ―であり、また非常に特徴ある個性派サウンドでしたからハマる人にはハマったのかもしれませんが、やはり価格ばかりべらぼうに高くて特に操作性や携帯性をはじめとしたPCDPとしての評価ポイントが落第で、デスクトップオーディオとして使うにも性能が半端過ぎて、正直使いどころのない機器はこうして話題に上がらなくなるものです。
あまり書くとアレなのでこのあたりにします。

さて本題に戻りましょう。

今回購入のDISCDREAM 2 ULTRAは聴いた瞬間に眼を見開くような感動があったわけですが、公式が謳う過去にCDP開発に携わっていたエンジニア、の方が本当によく「音」を知っていてそれを製品に落とし込めるのでしょう。

如何なるジャンルを聴いても不満を感じないリアルらしい表現、とはいえ決して無味無臭のつまらない音ではない、奥行きや細かいヴォーカルや楽器の描写、全域のソリッド感、バランス、ありとあらゆる要素が高次元で融合されています。聴き疲れないのに降り注ぐような情報量、空間表現も見事です。空気感の描写もそうですが無音の描写が際立って素晴らしいと私は感じました。
これは是非聴いてもらいたい要素だと思います。
変な話なんですけど、むしろ無音の描写こそがこのプレーヤの最もすぐれた要素なんじゃないかと。

息をのむ表現力です。

シームレス再生や音飛び耐性なども素晴らしいですね。
一旦メモリーに入れているロスレスということで、理想的です。

蓋パカ問題も本来PCDPであればスタートラインに立てないアレなのですが、バネが入っていて勝手に開くというようなことはなく、また開いていても再生するため正直ビジネスバッグやカバンに差し込んで操作パネルを上面にして運用する場面ではさして問題にならないのでは、というところです。

今後はDUNUやFiioからもCDPがリリースされるようですが、前者は過去のテクニクスのSL-P1200みたいな雰囲気とその見た目から連想される高音質っぽさを感じましたし、後者は圧倒的なマーケティング力とイメージ画像で見る限り最も「PCDPらしい」形状とサイズ感なので、大成功機種となりえるかもしれない・・・

ようやく僕の願いに時代が追いつきましたか?


先日ついにスタフ屋がSSL対応になりました!
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posted by うきょうたかし at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | PCDP

2024年10月01日

PCDP史の集大成候補 水月雨(MOONDROP) DISCDREAM ULTRA2

みなさんこんにちは。
スタフ屋の右京崇です。

昨年急な新製品の発売ニュースに驚き即座に予約購入したSHANLING EC Miniですが、まあはっきり言ってしまえば期待外れと言いますか6万円も払ってこんなものかととてもガッカリして苦虫をかみつぶしたような顔をせざるを得ない機種だったわけですが、それとほぼ時を同じくして発表された水月雨MOONDROP DISCDREAMという機種も実は中華サイトにて予約購入をしていました。

現物のツイートなどもあったことからすぐに来るだろうと思ってわくわくしていたのですがこれがいつまでたっても音沙汰がない。
購入ページも注文等が出来ないような状況が続いており、これはかつてだまされたSEIUN PROと同じかなと、支払額をまるまるどぶに捨てることになるのかと正直落胆したといいますか、まあEC miniで絶句したこともあってまあどうせ碌なもんじゃなかったんだろうと忘れることにしていました。

すると今年の9月になんとメールが届き注文したものは製造できずアップグレード版になるとのこと。キャンセルするかアプグレ版にするかという確認でした。
せっかく楽しみにしていた機種でしたから迷わずアプグレ版でお願いしますと返信。

それから一か月たち本日到着しました。

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MOONDROP DISCDREAM ULTRA2

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見た目は合格です。
金属製ボディは非常にデザイン性に優れ、最小限の画面やわかりやすい操作部、私がPCDPとはかくあるべきとするものを具現化したようなハード面です。

即座に気づいたのですがフタに関してはロック機構がなくパカパカしてしまう構造。
この点「だけ」ポータブルCDプレーヤーとしては決定的に落第なのですが、まあ蓋があいていても再生はできるので目を瞑るとしましょう。
ちなみにバッテリー込みの実測の重量は711g。ECminiが1252g、SL-XP7+SH-CDB7(エネループ換装)が1152gだったので随分と軽いです。概ね数あるオールド機2台分くらいでしょうか。
参考までに私のSL-S30カスタムモデルが電池込み370gでした。

さて、UIやらデザインやらの見てくれは完璧であるとして、肝心の音質はどうでしょうか。
ハードが良くても音が悪ければそれはもうPCDPとしては無価値になってしまうのです。

早速ヘッドフォンで試聴。
その瞬間から音作りのすばらしさに息をのみます。
確かに昨今のデジタル世代のDAPのような圧倒的な解像感はないのですが簡単に言えばオールド機の優良機種を思わせるような実に巧い音作り。欲を言ってしまえばこの方向性の音作りであればもっとミッドが張り出していて、かつローが粒だっていれば完璧ではありますが、あくまで音質傾向としてはリアルらしい、モニターライクな方向性のなかにリスニングライクな味付けをしているように思いますので、何を聴いても破綻が無いようにということであればこれはこれで正解でしょう。

私がすぐに唸った点は女声ヴォーカルの表現力。
といってもセクシーな感じや艶感とか、そういう方向性ではなくて、あくまでスタジオモニターのような、リアルらしい正確さ。
若干センターにより気味になる傾向こそあれこれは過去の数多なプレーヤーと比べても図抜けた特筆すべき魅力です。

ヘッドフォンやイヤフォン、CDをとっかえひっかえして聴いてみましたが、大変素晴らしい音作りに感銘を受けるほどでした。

確かに蓋の問題や光デジタル端子がずっと光ってるところ、サーチの連続性の無さや音量調節の遅さなどマイナス点はいろいろとありますが、完成度ということでいえば歴代の中でもトップクラスと言っていいものでしょう。

期待が大きかったり待ち焦がれていた部分もありますが、これだけ感動したのはいつ以来でしょうか。

丁度今年はPCDPが発売されてから40年になる年です。40年の歴史の終極の頂き、PCDPの集大成とさえいえるのではないかと。

「PCDP、ここに極まれり。」

わたくし右京崇がブログやツイッターなどで昔からずっと言い続けてきた理想を具現化したといっても差し支えないほどに僕が夢見た一機種です。
まさにDISCDREAM。その名の通りの逸品。

PCDPでこれだけ感動の涙を流すのはかつてSL-XP7を手にした時以来です。

究極にして至高の一台、MOONDROP DISCDREAM ULTRA2。
わたくし右京崇が自信をもって皆様におすすめできる一台。ぜひ購入して聴いてみてください。

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posted by うきょうたかし at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | PCDP