みなさんこんにちは。スタフ屋の右京崇です。
PCDPに使われているコンデンサの多くは7mmハイト品で、ちょっと薄い一部モデルでは5mmハイト品ですね。
高年式の超薄型機種ではさらに小型のチップタンタルが多く利用されていて、こちらはサイズ・性能は当然、電解コンデンサに比べても非常に長い期待寿命であり、特に経年劣化による交換などを考える必要がないわけです。
そのように考えてみると、前者は5mmハイト品のコンデンサがちゃんと入手できることや、大抵の機種には十分な内部クリアランスが有るということで特に問題はありません。
しかし、前者と後者の中間あたりの機種はどうでしょうか。
ちょうどSONYの98年〜00年あたりの機種がそうなのですが、なんとこれらには3.8mm〜4mmハイトの低背表面実装チップ電解コンデンサが使われています。
それも6.3V100uFや4V220uFが多く、松下KSシリーズや日本ケミコンKMGシリーズ、東信EC-FSシリーズなど簡単に入手できる小型品であってもまず入らない場合がほとんどです。
穴を開けたり線を引っ張って入ればそれで良いのですが、D-E808などの機種はコンデンサの真上にフィルムケーブルあって穴あけ作戦が通用せず、さらに線を引っ張っても入る場所は存在しません。
さてどうしましょう。
超小型チップ電解ですし、発売からの年数を考えてもそろそろ危ないものが出てきている頃です。
電解液を噴いたり基板を侵す前に対策したいところですが、どうしようにも入る電解コンデンサがない・・・
ここで後年の超薄型機に多く採用されているチップタンタルを使ってみるという方法があります。

性能や特性に関してはそれほどマズイところはないでしょうから、大変効果的ではないかと思います。
私の手元にもSONY D-E770の例があります。
次の写真を見てください。チップタンタルも数多く有るなか4mmハイトのチップ電解が2個あります。

これら表面実装のチップ電解を取り外すのは通常のラジアルリード品の取り外しに比べて大変難しく、ちょっと誤るとパターンを剥がしてしまう危険性が有るので細心の注意を払わなければいけません。
パターン破損に気をつけて取り外します。

基板をキレイにしたらハンダ付けする前にチップタンタルがちゃんと取り付けられるサイズか確認してみましょう。同時に極性にも注意です。
そのまま取り付けできる場合はそのまま取り付ければ大丈夫です。
もし別の接点に接触してしまう場合やピッチが合わないという場合は、裏返したり線を引っ張ったりなどすれば大丈夫でしょう。
サイズが大変小さいのでどう配置しても蓋に干渉するようなことはないと思います。
ということで取り付けてみました。
どうです?まるで純正であるかのような自然さで、違和感は全くありません。

問題なく動作していますね。チップタンタル作戦はこの機種に限らず多くの薄型機や、通常機種に対しても大変有効な方法の一つではないでしょうか。問題は価格くらいですね。

単体での音質や光出力、薄型小型振りなどが際立つ大変優秀なPCDPにこういった小型低背チップ電解が使われていることが多くあり、その保守についてかなり頭を悩ませていた時期もありました。
なぜよりにもよって実力の高いPCDPに限ってこんな入手困難なものが使われているんだという感じですが、これでひとまずは安心ですね。
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